継ぎ足しで年々美味くなる。
丸鶏を10時間以上煮込んだ“秘伝のタレ”
はじめに、この「にじ」がどんなお店なのか教えていただけますか?
今年でオープンから4年目になる居酒屋で、備長炭で焼いた焼き鳥をメインで出しています。お客さんの幅が広いのも特徴で、家族連れや観光客もきてくれますし、地元の飲兵衛もたくさんきてくれます(笑)。誰でも気軽に来られるような店を作りたいって思っていたので、本当にありがたいですね。
「にじ」はタレにも強いこだわりがあるとお聞きしていますが……。
よくぞ聞いてくれました。タレにはもうめちゃめちゃこだわっています。まず丸鶏を10時間以上煮込んで、骨まで出汁を取っています。このあたりに住んでいる人は焼き鳥を塩で食べる文化があるんですけど、俺はあえてタレで攻めたいと思っているんです。
あえてタレで勝負するのには、何か理由があるのでしょうか?
東京の焼き鳥屋で8年くらい修行していたんですけど、その店のタレがもうめちゃめちゃ美味くて、そのレシピを「にじ」でも受け継いでいるんです。タレは継ぎ足しでやっているんですけど、4年目になってかなり馴染んできました。タレには焼き鳥のエキスや炭の香りも乗り移っていくので、これからもっと深みが出て美味くなるはずです。
秘伝のタレというわけですね。焼き鳥の中でも特にオススメのメニューは何になりますか?
ぶっちゃけ言うと全部美味いっす(笑)。ただ、あえて言えばネギマとレバーがオススメですね。うちのはすごく柔らかいんですよ。焼きすぎずふっくらジューシーな焼き鳥です。
話を聞いているだけで胃袋が刺激されます……。焼き鳥以外の焼き物だと、何が人気ですか?
巻物も美味いってよく言われますよ。野菜を豚バラで巻くんですけど、西裏の飲食店の中では、レタスやにんにくの芽まで巻いているのはうちくらいだと思います。巻物は肉の脂が多いので、塩やポン酢でサッパリ食べていただければ。ちなみに、鶏も豚も全部国産を使うことにもこだわっていて、山梨で採れた野菜も使っていますよ。
カウンター席から埋まる居酒屋
店内に大量に焼酎のボトルが並んでいましたが、ボトルで注文してキープしている常連さんも多いのですね。普段、店内はどのような雰囲気ですか?
みんなが言うには、「アットホームに飲める居酒屋」だそうですが、店ではワイワイ飲んでいるお客さんもいれば、カウンター席の端でしっぽり飲んでいるお客さんもいます。
そういえば、「にじ」はカウンター席から埋まっていくことが多いんですよ。俺もカウンターでお客さんと話すのが好きなので、「カウンター席がいい」って言ってくれる人が多いのは嬉しいですね。
それも和揮さんの人柄があってこそでしょうね。
店構えは入りづらい雰囲気かもしれないけど、一度入ってくれればすぐ馴染んでもらえると思います。常連の皆さんも温かい人ばかりで、常連さんと観光目的のお客さんがここで仲良くなって一緒に飲むなんてことも結構ありますよ。そういうのを見ると、「ああ、いいなぁ」ってホッコリします。
いわゆる一見さんや人見知りの人でも、安心して満喫できそうですね。
にじは、女性ひとりでも気軽に入れる店なので、どなたでもふらっと遊びにきてください。「焼き鳥2本とお酒1杯だけ」っていうスタイルでも全然いいし、満腹の人でもウェルカム。焼き鳥を食べずに、漬物だけで飲んでいる常連さんもいますから(笑)。
「ハシゴがオススメです」個性的な店が立ち並ぶ、西裏の魅力
和揮さんは、どういうところに西裏の魅力があるとお考えですか?
やっぱり、いろんなお店があることだと思いますよ。お酒が飲みたいなら、西裏ですべて事足ります。俺自身も店を閉めてからよく飲みに行っていますし、同業者の皆さんとも仲が良い。個性的な店が多いから、本当に飽きないんです。
観光で訪れた人は、どんな遊び方をすれば西裏という町を一層楽しめますかね?
やっぱりハシゴがオススメですね。せっかく西裏に来たのなら、いろんな店を次々と回ったほうが面白いと思います。店ごとに雰囲気も全然違いますから。山中湖や河口湖周辺に泊まっている観光客の皆さんも、ぜひタクシーや代行を使って西裏に遊びにきてほしいと思います。
今後、何か「にじ」の目標はありますか?
今はこの『にじ』を盛り上げることで、西裏の町も盛り上げられるといいなぁ、って考えてます。やっぱり生まれ育った町だし、この地元が大好きなので。
人懐っこい笑顔で常連客も観光客も魅了する和揮さん。しかしその胸中には、地元への熱い思いもありました。西裏を訪れた際は、ぜひこの地元愛の詰まった絶品タレを味わってみてはいかがでしょう? もちろん、カウンター席が断然オススメですよ。